シネマ尾道ができるまで
1947年 演劇場「第一劇場」から、松竹(株)が直営館「尾道松竹」として営業。
1962年 現在の鉄筋の建物に建て替える。
1973年 松竹(株)が、尾道から撤退するが、「尾道松竹」という屋号だけを残し、当時社員だった黒田氏が経営を開始。
2001年 尾道市内で最後の映画館「尾道松竹が閉館。映画の街・尾道から映画館が姿を消す。
2004年 尾道出身で当時20代の女性・河本清順が、「映画の街なのに映画館がないのは寂しいよね。尾道に映画館、なんとか作れんかねぇ。」と、映画好きな友人2人に呼びかける。「面白そうだからやってみようやぁ」の友人の一言に背中を押され、新潟、群馬、埼玉、京都、大阪など全国のミニシアターを仲間と巡り、映画館経営について調査する。当時尾道と同じ人口の埼玉県深谷市にある「深谷シネマ」の運営方法に衝撃を受け、「人口が少ない尾道でも映画館経営が成り立つ!」と希望と使命感を感じ、尾道に戻り任意団体「尾道に映画館をつくる会」を結成。5年間映画館がなかった尾道で、再び大スクリーンでみんなで感動を共有する素晴らしさを感じてもらおうと、2か月に1度のペースで、公共ホールや商店街で上映会活動を開催した。回を重ねるごとに、だんだんと活動の仲間も増え、輪を広げていく。
2008年10月18日、市民草の根募金2,700万円を集め、「旧尾道松竹」を改装し、ついに念願の映画館「シネマ尾道」を開館。7年ぶりに復活したシネマ尾道の開館日にこけら落としで上映した作品は、橋口亮輔監督「ぐるりのこと。」だった。
7年ぶりに映画の街・尾道市に映画の灯が復活し、年間約120本の新旧の洋画邦画を上映している。西日本初のNPO法人が経営、尾道市内唯一の映画館として、市民に支えられながら、尾道の映画文化を守るため、現在も経営を続けている。
2017年「小林和作賞」、2018年「広島文化賞」受賞。
こどもたちに向けた映画ワークショップ
シネマ尾道では、尾道の未来を担うこどもたちや若者に向けた、映画ワークショップを毎年数回開催しています。
また、映画とあわせて地元の小学生や中学生が合唱を披露する企画や学習発表会などを開催し、地域の文化と教育の振興に力を入れています。
毎年恒例「東京物語」上映
尾道と東京が舞台の小津安二郎監督の名作「東京物語」を、毎年夏に上映しています。映画の中の季節でもあり、小津組が尾道にやってきた夏にあわせて上映しています。1953年の風景や風情が今でも続く尾道で、「東京物語」を追体験してみませんか?
尾道の小学生から高校生に向けた「東京物語」を鑑賞して地元の文化と歴史を学ぶワークショップも毎年開催しています。
シネマ尾道web movie ~「東京物語」から約60年後の尾道
監督 時川英之